北九州通信 2006年5月

〔北九州通信 5月〕                   吉村克信

5月21日〜5月25日にかけて、福岡→成田→コペンハーゲン→ジュネーブ →ローザンヌ→グルノーブル→ローザンヌ→ジュネーブ→コペンハーゲン →成田→羽田→福岡の経路で、ヨーロッパ訪問をしました。
目的は、The European Solid State Device Research Conferenceの採択論文の最終Selection Meeting(ローザンヌにあるエコールポリテクニカ・フェデラル・ローザンヌで開催)への出席(私はこの学会のテクニカルコミッティメンバーです。115人コミッティメンバーが世界から招待されていますが日本からは私を含めて5人だけ選ばれています)とグルノーブルにあるフランス原子力庁(LETI)のMinatec Laboratoryにおける北九州学術研究都市の紹介と私の開発している新技術を含めて学術研究都市の開発結果の紹介です。

採択論文の最終選別は世界からスペシャリストが集まっていますから、お互いの専門を尊重しながら厳しい議論が丸1日にわたって行われました。ジャーマンイングリッシュ、フレンチイングリッシュ、イタリアンイングリッシュ、北欧イングリッシュ、私は当然ジャパニーズイングリッシュが飛びかい激しいやりとりでした。当然ですがこのようなディスカッションの場では何も言わない人は無視されます。「自分」というものがしっかりしていないとここでは相手にされません。 前もって各自が採点していますから、その採点結果がほかの人より相当高い場合や低い場合は根拠の説明を求められます。私も5〜6件説明しました。

私は、ディスカッションとはこうあるべきだと思います。日本人同士のディスカッションはあまりにもいい加減な気がします。このような専門家が集まった厳しい議論を行えば、相当得るべきものがあります。

なお、このコミッティのメンバーにはローザンヌの町の中でも相当敬意が払われ、ホテルも特別料金で泊まれますがそれなりの振る舞いが要求されます。

グルノーブルにあるフランス原子力庁のMinatec Laboratoryでは私が、北九州学術研究都市の紹介と研究結果の紹介のプレゼンテーションを行って向こうからMinatec Laboratoryの紹介を受け、ディスカッションを行いました。ここの研究所の副所長と私が親友であることで実現した訪問でした。 専門的なことは述べませんが、はっきり言って日本の理化学研究所、産業技術研究所は予算的には同程度あるいはそれ以上使っていると思いますが、システムのトータルソリューションという意味では、全くかなわないと思いました。

ここのシステム・トータルソリューションについては2~3年まえから親友で副所長のミッシェルさんと私は相当議論を重ねてきて、その結果がすべて反映されていました。ある意味では、危機感を感じます。フランスは国家の威信をかけているといっても過言ではないでしょう。

これから、ここで見てきたことを北九州の学術研究都市にいかに生かすかが私の課題になると思います。

列車、タクシー、バスなどを乗りついての移動に継ぐ移動で大変でした。ここはフランス語圏ですのでアナウンスはすべてフランス語です。地名と数字くらいはフランス語でもわかりますからアナウンスを聞いて自分に関係ありそうだと思ったら周りの人に英語で尋ねて確認しながらの移動でしたからくたくたになりました。

ほっとしたのは、すべて終わった23日の夕方、ローザンヌのホテルの前のレマン湖ほとりをゆっくり散歩したときでした。

大変な訪問でしたがよい勉強になりました。
9月に学会が5日間スイスのモントレーで開催されますのでまた行ってきます。



                        2006年5月28日                           小倉の実家二階より

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